介護保険で使えるサービスはたくさんあるようですが、どんなものがあるのでしょうか?
介護保険制度で受けられる介護サービスには、主に「施設サービス」「居宅サービス」「地域密着型サービス」の3つにに分けられます。それぞれどんなサービスがあるのか、見てみましょう!
居宅サービス
自宅で生活しながら利用できる介護サービスです。
名称 | 対象 | 概要 |
---|---|---|
訪問介護 | 要支援1~2要介護1~5 | 訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅に来て、ご本人の暮らしに必要な活動を支援したり、生活環境を整えたりします。 |
訪問入浴介護 | 要支援1~2要介護1~5 | 訪問入浴車両で浴槽を搬入し、自宅で入浴を実施します。自宅の浴槽が狭い・家族で入浴介助ができない時などに利用します。 |
訪問リハビリステーション | 要支援1~2要介護1~5 | 医師の指示により、リハビリテーションが必要な人の自宅をリハビリテーション専門職が訪問し、自宅環境に応じたリハビリや介助・支援の具体的なアドバイスを行います。 |
訪問看護 | 要支援1~2要介護1~5 | 医師の指示により、ご本人の自宅を看護職員が訪問し、医療処置や状態観察、リハビリテーションなど、療養生活の支援を行います。 |
居宅療養管理指導 | 要支援1~2要介護1~5 | 医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士が自宅を訪問し、医療的な指導や管理、アドバイスをしてくれます。通院が困難な方向けのサービスです。 |
通所介護 (デイサービス) | 要支援1~2要介護1~5 | 自宅から事業所に通い、リハビリテーションや訓練を中心に入浴・食事・排泄などの介助を受けることができます。療養や認知症、介護予防等に特化した施設もあります。 |
通所リハビリステーション (デイケア) | 要支援1~2要介護1~5 | 自宅から事業所に通い、リハビリテーションや訓練を受けます。デイサービスより専門的なリハビリテーションや医療処置に対応できます。 |
短期入所生活介護 (ショートステイ) | 要支援1~2要介護1~5 | 特別養護老人ホーム等の福祉施設に数日~数週間入所して、介護や支援を受けることができます。介護者のレスパイト(休息)や将来入所することを見据えて施設に慣らすことができます。 |
短期入所療養介護 (ショートステイ) | 要支援1~2要介護1~5 | 医療対応が可能な医療施設等に数日間入所して、看護・医学的管理のもとで介護や訓練機能、その他必要な医療を受けることができます。 |
福祉用具貸与 | 要支援1~2要介護1~5 | 自宅内の環境などに応じて、安全・快適に過ごすために必要な特定の福祉用具をレンタルすることができます。要介護度により、貸与できる品目の範囲が変わります。 |
特定福祉用具販売 | 要支援1~2要介護1~5 | 安全・快適に過ごすために必要な福祉用具のうち、衛生面から購入が妥当なものの購入金額の一部を、介護保険で支給できます。1年間で10万まで支給されます。 |
住宅改修 | 要支援1~2要介護1~5 | 自宅の住環境を整えるための小規模な改修費用を一部支給するサービス。保険の適用は20万までで、そのうちの負担割合部分を自己負担します。 |
施設サービス
介護保険施設に入所しながら利用できる介護サービスです。
名称 | 対象 | 概要 |
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介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) | 要介護3~5 | 自宅での生活が困難になった方が、身体介護や生活介助を受けながら生活できる施設です。医療・リハビリよりも生活支援に重点が置かれ、食事・入浴・排泄など生活に必要な介護が24時間365日受けられます。 |
介護老人保健施設 | 要介護1~5 | 状態が安定した方が、医療的管理のもと、リハビリ・介護を受けながら在宅復帰を目指すための施設。リハビリに重点が置かれています。 |
介護療養型医療施設 (療養病床) | 要介護1~5 | 寝たきりの高齢者や重度の認知症の方など、比較的重度の要介護者が入所し、医療処置とリハビリを受けられます。 ※2024年に廃止予定 |
介護医療院 | 要介護1~5 | 内容は介護療養型医療施設とほぼ同じですが、介護療養型医療施設の廃止を受け、2018年に新設されました。 |
地域密着型サービス
住み慣れた地域で介護を受けながら無理なく在宅生活が続けられるよう、2005年から新設されたサービスです。
名称 | 対象 | 概要 |
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定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 要介護1~5 | 定時の巡回や随時の訪問介護と訪問看護を24時間365日自宅で受けられるサービス。計画に沿って1日に複数回介護・看護スタッフが訪問したり、随時ケアコール端末からオペレータへ通報し、対応してもらうことが可能です。 |
夜間対応型訪問介護 | 要介護1~5 | 22時~6時を含む夜間帯に訪問介護を提供するサービス。サービス事業所から提供される専用のケアコール機で、深夜でもオペレーターが対応します。 |
小規模多機能型居宅介護 | 要支援1~2、要介護1~5 | 住み慣れた自宅・地域にいながら、「通い」「訪問」「宿泊」を1つの事業所から受けられるサービス。1か月の定額制で、3つのサービスを柔軟に利用することができます。 |
看護小規模多機能型居宅介護 | 要介護1~5 | 「小規模多機能型居宅介護」に「医療ケア」が加わったサービス。「通い」「訪問」「宿泊」に加え、医療的ケアが利用できます。2015年までは「複合型サービス」と呼ばれていたものです。 |
認知症対応型共同生活介護 (グループホーム) | 要支援2、要介護1~5 | 認知症の高齢者が、できるだけ自立した生活を送れるよう支援を受けながら少人数で共同生活できるサービス。認知症専門の訓練を受けたスタッフが対応します。 |
細やかなサービスを特徴としたものが多いですね。利用できたらとても便利そうだな~。
それこそがこのサービスの強みなんです!
地域密着型サービスは、その地域に添ったサービスを提供するため、市町村が事業者の指定や監督を行います。規模が小さいので、利用者のニーズにきめ細かく応えることができると期待されています。ただし、利用対象者は事業者が所在する市町村に居住する方に限定されています。
“介護”と“看護”の違いって?
サービスの名称に“看護”と”介護”がついているものが多いですが、この2つの違いって何ですか?なんとなくはわかるんですけど、なんかもやっとします。
介護は「日常生活を安全かつ快適に営むためのサポート」がメインで、看護は「病気や怪我などの治療や療養のサポート」がメインです。
混同されがちですが、両者には下記のような違いがあります。
目的 | 職種 | 仕事内容 | |
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介護 | 対象者が安全で快適な日々を送れるようにすること | 福祉職 | 身体介助や身体援助 |
看護 | 対象者の身体と心の状態が回復・治癒させること | 医療職 | 治療や予防、服薬管理や点滴、診察の補助など |
また、一部の医療行為は介護福祉士にも認められていますが、看護師等の医療従事者にしか認められていない医療行為があります。
かつては医療従事者にしか許されていなかった医療行為ですが、実際の介護の現場では医療行為に準じる働きをしなければいけないケースが多くあるため、時代を追って少しずつ解禁されてきました。
かつては医療行為であったが現在は医療行為には該当しないとされているものには「体温計を用いた体温測定」「湿布の貼付」「軟膏の塗布」などがあります。
また、介護福祉士の資格保有者には「喀痰吸引」「経管栄養(胃ろう)」も認められています(ただし、下記の条件つき①本人やその家族の同意が必要であること②医師や看護師との連携すること③医療者による監督のもとでおこなうこと)
介護職員では認められておらず、医療従事者にしか認められていない医療行為には下記のようなものがあります。
- 摘便
- 血糖測定
- 点滴の管理
- インスリン注射
- 褥瘡の処置(褥瘡部分の消毒・薬の塗布)
なるほど!この違いも意識して、受けたいサービスを選んだ方がよさそうですね!
わからないことはプロに相談しよう
様々な介護サービスの特徴はわかりましたか?初めての方には、なかなかピンとこないものもあるかもしれませんね。そんな時こそ、介護のプロであるケアマネージャーに相談してみましょう!
ケアプランを立てる際に、担当のケアマネさんからいろいろ話を聞いてみてください。わからないことは質問する、気になることは確認する、こうしたコミュニケーションを密にとり、納得できる介護サービスを利用できるといいですね!
あい里でも、随時介護相談を承っております。介護相談窓口からお気軽にどうぞ!