介護保険制度の被保険者は「第1号被保険者」と「第2号被保険者」に分けられています。この違いは何なのでしょうか?
友人のお母さん(60歳)が、脳卒中で倒れて緊急入院になってしまったそう・・・。手術後も調子が悪く、お医者さんから「介護保険を申請してください」と言われたらしいけど、あれ?介護保険って年齢による制限がありましたよね??
介護保険の被保険者は「65歳以上の方(第1号被保険者)」と「40歳~64歳の方(第2号被保険者)」に分けられます。60歳だと後者の第2号被保険者ですね。今回は両者にどんな違いがあるのか、解説していきましょう!
第1号被保険者・第2号被保険者の違い
それぞれの特徴についてまとめると、下記のようになります。
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
---|---|---|
保険料の納付機関 | 市区町村 | ・医療保険加入者は医療保険 ・国民健康保険加入者は市区町村 |
納付方法 | ・公的年金が年間18万円~:年金から自動的に天引き ・公的年金が~18万円:市区町村から郵送される納付書か、口座振替で納付 | ・医療保険加入者:給料から自動的に天引き ・国民健康保険加入者:前年度の確定申告で算定し、国民健康保険料と一緒に納付 |
給付対象者 | 要支援か要介護の認定を受けること | 特定疾病が原因で、要支援か要介護に認定された場合 |
40歳から第2号被保険者になった方々が、65歳になると第1号被保険者に切り替わる、というイメージですね。
そうですね。要注意なのが「給付対象」の項目です。第1号被保険者の方は介護認定で要支援か要介護認定が出れば給付されますが、第2号被保険者の方は特定疾病が原因で要支援か要介護の認定がされなければ給付が受けられません。
給付対象となる特定疾病
現在、給付対象となっているのは下記の16種類の疾病です。
これらの疾病の中には、身体障害者手帳を取得できる可能性もあります。介護保険では適用されないサービスが利用できることもありますよ!(※併用する場合、制度上重なる部分は障害福祉サービスより介護保険の自己負担が優先して適用されます)
※下記のように、介護保険より優先される給付もあります
労働者災害補償保険 (労災) | 業務中や通勤中に事故にあうなどして介護が必要な状態になった場合 |
公務災害補償 | 国家公務員や地方公務員が公務中や通勤中に事故にあうなどして介護が必要な状態になった場合 |
自動車損害賠償責任保険 (自賠責保険) | 交通事故が原因で介護が必要な状態になった場合 |
第2号被保険者が利用できる介護サービス
基本的には第1号被保険者も、第2号被保険者も、利用できる介護サービスは変わりません。
なるほど!それでは手続き以降の流れは全く同じなんですね。
もう1つ異なるのが、「本人負担割合」です。第1号被保険者は収入に応じて負担割合が異なりますが、第2号被保険者の場合、収入にかかわらず1割となっています。
もしも第2号被保険者の方で介護サービスが必要になったら・・・
もし、不測の事態により介護保険を利用することとなった場合、不安に感じることが多くあるかと思います。その場合でも、地域包括支援センターや身近なケアマネージャーさんなどに気軽に相談してみましょう。ケアプランの作成など、介護を受けることになった方がどんな生活を送りたいか、希望を叶えるお手伝いをしてくれるはずですよ!
お友達のお母様も、介護保険の利用やリハビリを通じて、早く良くなるといいですね。
はい!今日学んだこと、友達にも教えてあげなきゃ!