常に介護が必要な状態が「要介護状態」と書かれていましたが、実際にはどのような状態が該当するのか、イメージがわきません。
実際に、そのような疑問を多くいただきます。今から具体的な事例を出しながら、ご説明していきますね。
「介護度」とは?
介護申請でつけられる介護度とは、「介護の手間」を数値化したものです。
介護認定の申請をすると、介護の必要度を判定するために、「介護度」がつけられます。
介護度を付けるためには、調査員が自宅を訪問し、認定調査を実施しますが、この際、主に下記の項目がチェックされています。
- 認知力
- 立上り
- 移動
- 入浴
- 排泄
- 食事
これらを総合的に判断し、8つの段階に分けられます。
介護度 | 具体的には | 区分支給限度額(標準自己負担額) ※自己負担1割の場合 |
---|---|---|
非該当 | 日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、その能力もある状態。 | - |
要支援1 | 基本的日常生活はほぼ、自分で行うことができるが、要介護状態にならないよう支援が必要。 | 50,320円 (5,032円) |
要支援2 | 要支援1よりも、基本的日常生活を行う能力が低下し、 その能力に応じた支援が必要。 | 105,310円 (10,531円) |
要介護1 | 基本的日常生活や身の回りの世話に、一部介助が必要。 | 167,650円 (16,765円) |
要介護2 | 食事・排泄・入浴・洗顔・衣服の着脱などに、一部または多くの介助が必要。 | 197,050円 (19,705円) |
要介護3 | 食事・排泄・入浴・洗顔・衣服の着脱などに、多くの介助が必要。 | 270,480円 (27,048円) |
要介護4 | 食事・排泄・入浴・洗顔・衣服の着脱などに、全面的介助が必要。 | 309,380円 (30,938円) |
要介護5 | 基本的日常生活・身の回りの世話全般に全面的介助が必要。 | 362,170円 (36,217円) |
それぞれの介護度の状態例
先ほどの「介護度」が具体的にはどの程度なのか、見てみましょう。
ここでは、それぞれの項目を1人でできる力を「◎:問題なし」「◯:やや低下」「△:低下」「✕:非常に低下」と記載しています。
介護度 | 認知力 | 立上り | 移動 |
---|---|---|---|
要支援1 | ◯ | ◯ | |
要支援2 | ◯ | ◯ | |
要介護1 | ◯ | ◯ | ◯ |
要介護2 | ◯ | ◯ | ◯ |
要介護3 | △ | △ | △ |
要介護4 | ✕ | ✕ | △ |
要介護5 | ✕ | ✕ | ✕ |
介護度 | 入浴 | 排泄 | 食事 |
---|---|---|---|
要支援1 | ◯ | ||
要支援2 | ◯ | ||
要介護1 | ◯ | ◯ | |
要介護2 | ◯ | ◯ | ◯ |
要介護3 | ✕ | ✕ | ◯ |
要介護4 | ✕ | ✕ | △ |
要介護5 | ✕ | ✕ | ✕ |
要支援状態
要支援状態とは、「現在は自立しているが、将来的に介護が必要になる可能性が高い状態」のことです。
この判定では「介護サービス」ではなく「介護予防サービス」を受けることができます。この段階で適切な対策を行い、介護度が進まないよう心身機能の維持や改善を図ります。
要支援状態で受けられるサービスには、どんなものがあるのでしょうか?
上野原市では「介護予防・生活支援サービス事業」として①訪問型サービス②通所型サービス③通所型サービスA④通所型サービスCの4種類が受けられますよ!
具体的には、自分ではできない日常的な行為への家事の援助や、短時間型のデイサービスなどです。
要介護状態
要介護状態は「今にも介護が必要な状態」であるため、介護サービスを受けることとなります。
現在の介護度がさらに重くなることを予防し、日常生活を送るうえで、できる限り介護状態を維持・または軽減することを目的とした様々なサービスが受けられます。
要介護の場合、すべての介護サービスを利用することができます。しかし、制度上受けられるサービスは多岐にわたっても、残念ながらお住まいの地域では希望のサービスを提供している施設がない、ということもあります…。
どのような状態になったら、介護認定を受けた方がいいの?
どんな状態になったら、介護認定を受けた方がいいのでしょうか?
「いつ」という具体的な定義はないので、少しでも気になったら、お住まいの地域の介護保険の窓口に相談してみるのがいいのかもしれませんね。
入院がきっかけで介護保険の利用をはじめる方も多いです。例えば夏場の熱中症や、栄養の偏りで具合が悪くなり、入院したらそのまま寝たきりとなって、退院する時に病院から介護保険の利用を勧められる、というケースですね。
介護というと、デイサービスや老人ホームなどの施設や、介護員の訪問を連想される方も多いですが、介護保険は福祉用具のレンタルや販売にも利用できるので、もしも老化が原因で日常生活でお悩み事がある場合、楽になる可能性も高いですよ!